別れさせ屋の社長・斎藤です。

当社には座学と経験で技術を身に着けた、心理学のプロフェッショナルが多数在籍しています。「どんな心理を利用してに工作するのか」と尋ねられることが多くなったため、基本的なテクニックを紹介したいと思います。

ただし「ここである程度学んだから」と言って身近な協力者に依頼することは、大きなリスク・代償を伴います。プロはどんな危険から依頼主を守るのか ―その点についても質問が多いため、メリットを感じていただきやすいように解説します。

 

関係解消に利用する基本の心理学

別れには必ず痛みを伴いますが、本来の歩みに最短で復帰できるよう、最小限に抑える必要があります。そのためには、関係を持っている二人がごく自然に「最近は想いが薄れてきたな」と思える環境を演出しなければなりません。

そこで使うのが、親近感・恋愛感情を薄れさせるためのテクニックです。

 

熟知性の原理を使う

「人情」「情がわく」などの言葉に入る「情」の正体は、心理学者ザイオンスが実験で検証した「熟知性の原理」と呼ばれるものです。

 

簡単に言えば、接触回数が増えるほど人は好意を抱きやすいのです。

その反対に、相手と物理的に距離が離れてしまった場合・あまり会わなくなってしまった場合は、好意の量が目減りしていきます。小説や映画に多い「いつまでも忘れられないあの人」という表現は、現実は非常に珍しい事なのです。

 

これを応用して、別れさせたい二人が自然に合わなくなることを目指します。

 

相手の親和欲求をなだめる

人間には「親和欲求(不安や恐怖をなだめるために他者と同じ空間にいようとする欲望)」が備わっています。日常でストレスを抱えやすい・幼少期の環境が良好でなかったといった背景事情がある場合、親和欲求は強く作用します。

 

そこで、相手がどの程度愛情に飢えているのか・どうすれば一人で歩めるのか、身元調査や工作の中で分析します。最終的に愛着を他の対象に移すか、自己の問題を見つめなおしてもらいます。

 

別れた後にトラブルにもつれ込まないよう「あの人との関係は不適切だった・自分の身のためにならないので別れて良かった」と思わせることが、落としどころとなります。

 

ハロー効果を利用する

「ハロー効果」とは、たったひとつの特徴で全体の印象が180度変わってしまうことを指します。それまでは理想的に見えた恋愛対象も、欠点をひとつ見つけると裏切られた気持ちになり、以降は情熱的になれなくなってしまいます。

身近な表現では「幻滅する」という心理に当てはまります。

 

別れさせたい二人の趣味嗜好も分析し・ハロー効果による評価逆転狙うことで、互いの傷を最低限に抑えた状態で関係を解消させられます。単純接触回数を減らすことによる「反対の熟知性の原理」を組み合わせれば、より効果的です。

 

繰り返しになりますが、これも遺恨のない別れを演出するための心理テクのひとつです。

 

素人が「心理テク」を使う危険性

素人が「心理テク」を使う危険性

ここまで紹介したテクニックは、どれも学術的研究の中で証明された人間心理の応用です。身体の様々な臓器と同様に、一見単純に見える心理同士で複雑に絡み合っています。知見のある当社のチームだからこそ利用できるものであり、人間関係を意図的に操作することに慣れていない人が使うと、ヒトの底知れぬ凶暴さを引き出してしまうことがあります。

 

大事件に発展してしまったケース

2009年、別れさせ業者の工作員による殺人事件が発生しています。
※弊社では無く、粗悪な類似業社です。

依頼主の元夫から「元妻を現在の夫から取り戻したい」と相談を受けた調査員が、恋愛工作をするうちに相手方と本当に恋愛関係に陥ってしまいました。最終的に調査員であることを知られてしまい、口論の末に事件に発展したというものです。

このように、プロでも重大なミスを犯してしまうことがあります。

当然、このようなことになれば、依頼主はもちろんのこと無関係な親族にまで問題が発展しかねません。感情やテクニックに溺れず冷徹に・プライバシーを守りながら依頼を完遂することは、必須かつ難しいことなのです。

 

自力で「別れさせ工作」をしてはいけない理由

人徳に厚く・人間関係について勝手知ったる知人や家族なら、前述したような大きな失敗を避けられるかもしれません。しかし、知人や家族に依頼した人の多くが、お金で換算できないほどの痛みやリスクを引き受けているのが実情です。

 

最も危険なのが、別れさせ工作が相手に伝わってしまうことです。協力者が行ったこと次第では、名誉棄損・プライバシー侵害・さらに傷害罪といった、民事と刑事の両面で裁判に発展する可能性が十分あります。関係者の一部がストーカー化して、誹謗中傷を含む「復讐」に遭ってしまう可能性も否定できません。

 

自力で「別れさせ工作」をしてはいけない理由うまく行ったとしても、協力者との間で恩を受けた/返すという曖昧な関係に縛られてしまいます。「あの時は助けたのだからお返しをしてほしい」という関係がいつまでも続き、それまで良好だった関係が壊れてしまいます。

そうなる前に気まずくなり、どちらからともなく友人・家族関係をシャットアウトしてしまうことがほとんどです。別れさせの成功と引き換えに、別の大切な関係を失ってしまうのです。

報酬と引き換えに我々のノウハウを頼っていただくということには、二つのメリットがあります。

  • 別れさせたい関係の双方のダメージを最小限にする
  • 別れさせることによって失うものを、ゼロ~最小限に抑えられる

 

十分にこのメリットを感じていただけるよう、プロ意識と技術の向上に日々努めています。